*相談事例
相続人の一人Aさんからの相談です。
Aさんの親(Dさん)が亡くなり、相続が発生しました。
相続人は、Aさん(Dさんの娘)・Bさん(Dさんの奥様)・Cさん(Dさんの息子)の3名です。
所有不動産について、法務局で調査したところ、Dさんの所有の戸建て(1棟)が未登記である事が判明した。
また、AさんとBさんの証言では、築40~50年は経っているとの事を伺う。
当時の建築図面が有り、拝見するが、明らかに、建物の形状が違っていた。
お話を伺うと、20年以上前に、増改築をしており、自己資金で行った事もあり、
建物の登記の事は調査まではしていなかったとの事を伺う。
そこで、相続による所有権移転登記をする前提として、未登記建物の表題登記を実施する事たなった。
・登記までのプロセス
建物を測量したところ、固定資産税の評価証明書に記載している床面積より、実際の測量した床面積は、約20㎡増加している事が分かった。
相続に伴い、知り合いの司法書士の先生に、遺産分割協議書を作成していただいたとの事を伺う。
建物については、Aさんの所有とする事と記載されていた。
遺産分割協議書には、未登記の建物について、固定資産税の評価証明書の内容が記載している事を確認した。
そこで、増築部分に約20㎡部分の所有権を証明する書類がない事になる為、
1、固定資産税の評価している床面積の再評価のお願いを地方自治体にお願いする。
2、また、遺産分割協議書について、増築後の床面積を追加記載していただき、
新ためて遺産分割協議書を司法書士の先生に作成していただいた。
1・2の所有権証明情報を添付のうえ、建物の表題登記を実施した。
*ここで、2に記載している、増築後の床面積を追加記載した遺産分割協議書が、なぜ必要になるか? ですが、
法務局は、登記申請の内容については、あくまでも書面を基に確認と審査をします。
よって、「増築部分の面積は、誰の所有となるのか?」が、分かる書面が必要となる為、遺産分割協議書に記載する事となります。
*未登記建物がある場合の、遺産分割協議書の表記内容については、十分に気をつけてください。
未登記建物の場合、いままで関わってきた建物については、ほぼ90%以上、固定資産税の評価証明書に記載している床面積と、実際測量した床面積とに違いが生じているケースがあります。(約5㎡以上の差)
未登記建物がある場合の遺産分割協議書には、建物に関しては、固定資産税の評価証明書の記載内容を、記載すれば、問題はありませんが、床面積が違っているケースもある事で、未登記建物の表題登記の申請をしても、法務局の審査に通らない事態になる事もあります。
*過去の増改築したなどで、面積に違いがある可能性が考えられる場合は、十分に注意してください。
不明な点は、山川事務所まで、お問い合わせください。